ごぼうは、青森県が全国一の生産量を誇る作物であり、中でも十和田市は県内でもトップクラスの生産量を誇る一大産地です。
豊かな土壌と冷涼な気候に育まれた十和田のごぼうは、程よく締まった身とシャキシャキとした歯ごたえ、えぐみの少ないまろやかな風味が特長です。
薄くスライスすれば生でも食べられるほどの品質の高さがあり、全国の消費者から高い評価を得ています。
ごぼうの栽培は、昭和49年(1974年)に、「ながいも」との輪作体系の一環として十和田市で始まりました。
その後、掘り取り機の導入や減反政策をきっかけに作付面積が拡大し、現在では年間約400ヘクタール以上の規模を誇ります。
主に「柳川理想」や「おいらせ150」などの品種が栽培され、安定した収量と品質を実現しています。
また、ごぼうは日本をはじめ、韓国や台湾の一部でしか日常的に食べられていない珍しい野菜で、豊富な食物繊維に加えて、カリウムやマグネシウムなどのミネラル分も豊富です。
近年では、がん予防効果が期待される「リグニン」という成分が含まれている点でも注目されています。
家庭料理の定番である「きんぴらごぼう」や煮物はもちろん、サラダや揚げ物、鍋料理など多彩な料理で活躍する“名脇役”として、十和田のごぼうは日々の食卓で親しまれています。