青森県十和田市は、全国でも有数のねぎの産地であり、特に長ネギは県内最大の出荷量を誇る代表的な農産物です。
日々の食卓に欠かせない野菜として親しまれる長ネギですが、なかでも十和田市産のねぎは、葉の緑と根元の白い部分の境がくっきりとしていることから「ぼけしらず」の愛称で呼ばれています。
その緑と白のコントラストの美しさに加え、太くて身が締まり、辛みが少なく、加熱すると甘みが一層引き立つのが特徴で、市場関係者からも高い評価を得ています。
特にねぎ焼きにすると、その甘さと香ばしさが際立ち、おすすめの食べ方です。
ネギはやや冷涼な気候を好み、耐寒性が強い一方で、多湿な環境では病気になりやすいため、天候の変化に応じた細やかな栽培管理が欠かせません。
特に、白い部分を長く育てるための「土寄せ」作業は大きな労力を要し、さらに収穫後も皮むきや選別といった丁寧な工程を経て市場に届けられます。
こうして手間ひまかけて育てられた十和田市のねぎには、アリシンという成分が豊富に含まれており、特有のにおいや辛みのもととなる一方で、消化を助けたり、代謝を高めたりするなど健康面での効果も期待されています。
その甘みと風味の良さから、家庭料理はもちろん、飲食店などの業務用食材としても重宝され、全国の食卓で広く親しまれています。