
青森県十和田市・法量地区にそびえる天然記念物『法量のイチョウ』。
大正15年(1926年)10月20日に国指定天然記念物となった巨木で、樹高約25m、幹回り約14.5m、樹齢はおよそ1,000年と推定されています。十和田を代表するパワースポットであり、紅葉シーズンには黄金色に輝く姿が圧巻の景観を生み出す、屈指の紅葉名所です。
イチョウは中国大陸原産とされ、日本に渡来した時期ははっきりしていませんが、僧侶らによってもたらされたという説があります。『十和田村史』には、この地にかつて善正寺があり、「南祖坊がそこで生まれ、その折に植えられた」という伝説が記されています。また、枝や幹から乳房状の気根が多く垂れ下がることから「乳イチョウ」とも呼ばれ、昔は母乳の出に悩む女性たちの信仰を集めていたとも伝えられています。
このイチョウは、大正15年に当時の内務省が全国から選んだ5本のイチョウのうちの1本として、初めて国の天然記念物に指定されたもの。その仲間には、宮城県「苦竹のイチョウ」、東京都「善福寺のイチョウ」、富山県「上日寺のイチョウ」、佐賀県「有田のイチョウ」などがあり、その歴史的・文化的価値の高さがうかがえます。
静かな集落にたたずむこの一本の木は、長い歳月を生き抜いてきた生命力と、地域の信仰や物語を今に伝える、十和田ならではの巨木スポットです。
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