
青森県十和田市・稲生川沿いに整備された「稲生川ふれあい公園」は、親水水路や遊歩道、休憩施設が続く全長約3.6kmの憩いのエリアです。近隣16町内会で組織される「稲生川せせらぎ活動委員会」によって大切に管理されており、四季を通じて地域の人々に親しまれています。
公園内の見どころのひとつが、日本三大桜のひとつ「伊佐沢の久保桜(山形県長井市・国指定天然記念物)」の子孫樹。エドヒガンの巨木として知られる原木は、樹高約25m、幹回り約11m、推定樹齢約1,200年ともいわれ、かつては枝張りが「4反桜」と呼ばれるほど広がっていたと伝えられています。紅色を帯びた花を咲かせる姿は、長い時を刻んできた歴史と自然の力強さを感じさせる存在です。
稲生川ふれあい公園に植えられているのは、その原木の種から育てられた苗木を譲り受けて植樹したもの。旧十和田市市制施行50周年を記念し、「30世紀に桜をのこす会」(仙台市)が中心となって平成16年6月に日本三大桜の子孫樹3本が植えられました。静かな川沿いの遊歩道に佇む桜は、春になると紅色の花を咲かせ、写真撮影や桜巡りにぴったりの“隠れた名所”として、訪れる人の目を楽しませてくれます。