十和田市秋まつりと十和田囃子
十和田市秋まつりは、幕末の三本木原開拓時代に始まった三本木稲荷神社の秋まつりを起源としています。各地で行われていた豊作祈願の秋まつりを、1949年(昭和24年)に十和田商工会議所が取りまとめ、三本木稲荷神社の大祭日である9月9日から11日にあわせて開催するようになりました。
その後、十和田市観光協会が主催を引き継ぎ、1971年(昭和46年)からは十和田青年会議所の主催により、中日には「お祭り広場」も開催されるようになりました。また、1974年(昭和49年)には、この「お祭り広場」の中で山車の夜間運行が始まりました。
1993年(平成5年)からは、毎年9月第2週の金曜日・土曜日・日曜日に開催されており、今では十和田市の秋の風物詩として親しまれています。祭り当日には、豪華絢爛な山車や勇壮な太鼓車が通りを埋め尽くし、華麗なバチさばきと大音響で観客に感動を与えます。
この秋まつりにさらなる魅力を加えるために誕生したのが「十和田囃子」です。それまで十和田市の秋まつりには統一されたお囃子がなく、審査や競演会では比較が難しく、すべての参加団体で一緒に演奏することもできませんでした。そこで、新たな風を吹き込もうと、十和田市観光協会が十和田青年会議所に制作と普及を依頼し、2006年(平成18年)に「十和田囃子」が完成しました。
作曲は、青森県内の祭りに詳しく、地域に根ざした活動を行い、特定の団体に偏らないという観点から、青森市の日本郷土芸能研究保存会に依頼されました。
曲調は「喧嘩太鼓」「進み太鼓」「休み太鼓」の3つに分かれており、待機中や運行中、競演時など、場面に応じて使い分けられます。こうした工夫により、十和田市秋まつりはより一体感のある、迫力と華やかさに満ちた祭りへと進化を遂げています。