溶岩の島「恵比寿・大黒島」| 十和田湖

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十和田湖-溶岩の島「恵比寿大黒島」

タイトル

溶岩の島「恵比寿大黒島」| 十和田湖

説明文

十和田湖南部の湖畔「休屋(やすみや)」には、湖岸に沿って美しい遊歩道が整備されています。四季折々の自然を感じながら歩いていくと、湖面に静かに浮かぶ二つの小島が見えてきます。これが「恵比寿島」と「大黒島」、通称「恵比寿大黒島」です。

この島々は、十和田火山の中央火口丘から噴き出した溶岩(玄武岩質安山岩)が湖上に現れたもので、地質学的にも貴重な存在です。乙女の像や十和田神社と並んで、十和田湖を象徴する風景のひとつとして親しまれています。

恵比寿様と大黒様がそれぞれ祀られているこの島は、古くから「果報島(かほうじま)」と呼ばれ、湖へお参りに来た人々が岸からお賽銭を投げ、島に届けば願いが叶うと信じられてきました。今でも湖底には、参拝者が投げた古銭が数多く沈んでおり、信仰の深さを物語っています。

かつては風の強い日や嵐の後に、湖底から古銭が浜に打ち上げられることもありました。実際に、展示されている古銭の中には、江戸時代初期(1636〜1659年)に鋳造された「古寛永通宝(こかんえいつうほう)」も含まれています。

さらに、十和田神社の奥にある岩山を越えた場所「占場(うらないば)」は、十和田信仰の開祖・南祖坊(なんそのぼう)が湖に身を投じて青龍大権現となったと伝わる神聖な地です。この場所でも明治時代から数回にわたって古銭の引き上げが行われており、最初に見つかった古銭のうち約7割は中国から渡来した「唐銭」だったと記録されています。

恵比寿・大黒島は、信仰と歴史、そして自然が一体となった、まさに“十和田湖の祈りの象徴”ともいえる存在です。季節によって表情を変える湖面に浮かぶその姿は、訪れる人々に静かな感動と、どこか神秘的な気配を与えてくれるでしょう。

所在地

〒034-0301 青森県十和田市奥瀬

撮影日

2021年6月13日

撮影者

米内山和正

撮影依頼はこちらをご覧ください

写真撮影 : 米内山 和正

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観光スポット 

十和田市官庁街通り(駒街道)/ 青森県十和田市

十和田市官庁街通り

「十和田市官庁街通り」は、十和田市役所をはじめ、市や県、国のさまざまな行政機関が並んでいることから、その名前がつけられました。市民にとっては、十和田市のシンボルともいえる通りで、親しみを込めて利用されています。

この通りは、歩道と車道を合わせると幅が約36メートル、長さは約1.1キロメートルあり、161本の松の木と155本の桜の木が並んでいます。碁盤の目のように整った十和田市の街の中でも、とくに美しいと評判の道で、散歩道としても楽しまれています。通り沿いには馬のオブジェをはじめとするたくさんの野外アート作品が設置されています。

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十和田市現代美術館 / 青森県十和田市

十和田市現代美術館

十和田市現代美術館は、国内外で活躍する33名のアーティストによる、建築や空間と一体となった38作品を展示している現代アートの拠点です。展示室にとどまらず、中庭や屋上、階段室など、館内のさまざまな空間にアートが展開されており、訪れる人に新たな発見や感動を提供します。また、美術館前に広がる官庁街通り約1kmのエリアには、「アート広場」や「アートファニチャー(アートベンチ)」が設置されており、まち全体がひとつの美術館のように楽しめる構成になっています。

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十和田市馬事公苑駒っこランド

十和田市馬事公苑 駒っこランド

十和田市は、かつて南部馬の産地として栄え、明治時代には軍馬補充部が置かれるなど、馬と深い関わりを持つ地域です。その歴史と文化を今に伝える施設が「十和田市馬事公苑 駒っこランド」です。

「馬と人の交歓リゾート」をテーマにしたこの施設では、実際に馬とふれあえる体験ができ、多くの人に親しまれています。苑内には、餌やりや引き馬体験ができる「駒っこ牧場」をはじめ、馬のモニュメントを取り入れた大型遊具、地場産品の展示や販売、休憩スペースを備えた「交流館」など、家族で楽しめる設備が充実しています。

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八甲田連邦

八甲田連邦 見どころ | Hakkoda Mountain Range

「八甲田山(はっこうださん)」という名前は、特定の山を指すのではなく、複数の山々をまとめた呼び方です。具体的には、大岳(おおだけ)、田茂萢岳(たもやちだけ)、赤倉岳(あかくらだけ)、硫黄岳(いおうだけ)、小岳(こだけ)、高田大岳(たかだおおだけ)などの「北八甲田」と、櫛ヶ峰(くしがみね)、駒ヶ峰(こまがみね)、乗鞍岳(のりくらだけ)などの「南八甲田」からなる、20以上の山々を指しています。

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奥入瀬渓流

奥入瀬渓流 見どころ | Oirase Gorge | 新緑・紅葉の名所

十和田湖から流れる唯一の河川が奥入瀬川です。日本を代表する景勝地で、奥に入るほど「瀬」が多くなることから「奥入瀬」と名づけれたとされています。

奥入瀬川は、約75kmの長さを持ち、八戸市の近くで太平洋に流れ込み、この川の十和田湖子ノ口から焼山の十和田橋までの約14kmを「奥入瀬渓流」と呼びます。特別名勝および天然記念物に指定されている文化財で、自然公園法特別保護地区として特に保全されています。渓流沿いに多数の滝が点在していることから「瀑布街道」とも呼ばれます。

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十和田市官庁街通り | 馬と蛙のオブジェ

十和田市と馬の歴史について

青森県十和田市の馬産地としての歴史背景
青森県十和田市を紹介する際、「青森県十和田市は馬の馬産地として有名で・・・・」と言いますが、今回は、十和田市と馬の歴史についてご紹介します。はるか昔の十和田市周辺はどのような環境で先祖たちはどのような生活を送っていたのでしょうか。

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太素塚

太素塚(たいそづか)

太素塚は、1871年(明治4年)に新渡戸傳(にとべ・つとう)が亡くなった際に建てられたお墓で、現在ではその墓を中心とした一帯を「太素塚」と呼んでいます。「太素(たいそ)」は、新渡戸傳が使っていた雅号(がごう)で、本名とは別に持つ風流な別名のことです。

新渡戸傳は、生前の1866年(慶応2年)、73歳のときに、大阪で墓石として使用する目的でお気に入りの石を購入し、自ら「太素塚」と書いて墓石に刻ませました。この墓石は、大阪から船で日本海側をまわって野辺地まで運ばれ、そこから大八車(だいはちぐるま)という、江戸時代から明治時代にかけて広く使われた大きな人力荷車を使って三本木(現在の十和田市)まで運ばれ、三本木原を一望できる小高い丘に設置されます。

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十和田湖 御鼻部山展望台

十和田湖 見どころ | Lake Towada

十和田湖(とわだこ)は、神秘の湖と言われ、青森県と秋田県にまたがる湖で、約2,000年前の火山活動で出来た、すり鉢状のくぼ地に水がたまった典型的な二重式カルデラ湖です。

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