十和田市官庁街通り

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十和田市官庁街通り(駒街道)/ 青森県十和田市

十和田市官庁街通り入り口

十和田市のシンボルロード「官庁街通り」

「十和田市官庁街通り」は、十和田市役所をはじめ、市や県、国のさまざまな行政機関が並んでいることから、その名前がつけられました。市民にとっては、十和田市のシンボルともいえる通りで、親しみを込めて利用されています。

この通りは、歩道と車道を合わせると幅が約36メートル、長さは約1.1キロメートルあり、161本の松の木と155本の桜の木が並んでいます。碁盤の目のように整った十和田市の街の中でも、とくに美しいと評判の道で、散歩道としても楽しまれています。通り沿いには馬のオブジェをはじめとするたくさんの野外アート作品が設置されています。

四季折々に表情を変える官庁街通り

春|桜とアートの共演

春になると、この官庁街通りは桜の名所としても知られ、155本ものソメイヨシノが一斉に咲き誇ります。松の深い緑と桜の淡いピンクのコントラストが映え、訪れる人々を魅了します。通り沿いに点在するアート作品との組み合わせも見ごたえがあり、桜とアートの共演はこの時期ならではの景観です。夜にはライトアップも行われ、幻想的な夜桜も楽しむことができます。

夏|花火と屋台が彩るにぎやかな夜

夏には、「十和田市夏まつり花火大会」が開催され、官庁街通りは歩行者天国となり、たくさんの屋台が並びます。夕暮れ時には、アート作品が照らされる中、約2,000発の花火が夜空を彩り、幻想的な夏の夜を演出します。

秋|伝統と彩りが広がるまつりと紅葉

9月上旬には「十和田市秋まつり」も開催され、山車や太鼓車から十和田囃子が鳴り響き、三本木小唄流し踊りや駒踊りなどが通りを彩ります。地域の伝統を体感できる貴重な機会として、多くの人々でにぎわいます。
秋が深まると、桜の葉が赤や黄色に色づき、松の緑との美しいコントラストが官庁街通りに広がります。

冬|光の芸術「アーツ・トワダ ウインターイルミネーション」

冬は、「アーツ・トワダ ウインターイルミネーション」が開催され、街全体が幻想的な光に包まれます。約25万球もの青いLEDが敷き詰められた十和田市現代美術館前のアート広場には、まるで青いじゅうたんのような美しい光景が広がり、ライトアップされたアート作品は、昼間とは異なる表情と幻想的な雰囲気を魅せます。

年間行事|防災・スポーツイベントも充実

そのほか、地域の防災意識を高める行事として、毎年2月に「消防出初式」、6月に「消防団観閲式」が行われ、毎年秋には「とわだ駒街道マラソン大会」も開催されます。

十和田市官庁街通りのイベント

「馬のまち」十和田の歴史的背景

十和田市と「馬」との関わりはとても古く、1885年(明治18年)から1945年(昭和20年)まで、軍用馬を育てる施設(三本木軍馬養成所、後の「軍馬補充部三本木支部」)が置かれていたことから、「馬のまち」として知られるようになりました。現在の官庁街通りは、その施設跡地の入口にあたり、戦後にその土地が開放されたのをきっかけに、まちづくりが進められ整備されたものです。

十和田市官庁街通り | 紅葉と松と馬

「日本の道100選」に選ばれたシンボルロード

1986年(昭和61年)8月には、「日本の道100選(旧建設省による選定)」にも選ばれ、全国的にも注目されるようになりました。その後1988年から1993年にかけて、「シンボルロード整備事業」として観光地としての整備が進められました。市役所の向かいには「桜の広場」が整備され、美しいメロディを奏でるカリヨンの鐘の音が街に響きます。
また、広々とした歩道のあちこちには、馬のまちとしての伝統を伝えるブロンズ像が置かれており、「駒街道(こまかいどう)」という愛称でも市民に親しまれています。

桜の広場

アートと都市が融合する「Arts Towada」

その後、中央省庁の再編や出先機関の移転に伴い、官庁街通り沿いには空き地が目立つようになりました。これを受けて十和田市では、通り全体を一つの美術館と見立て、アートを活用したまちづくりプロジェクト「Arts Towada(アーツ・トワダ)」を推進しました。このプロジェクトの中核施設として、2008年4月に「十和田市現代美術館」が開館し、続いて2010年4月には美術館向かいの旧税務署跡地が「アート広場」として整備され、プロジェクトはグランドオープンを迎えました。これにより、官庁街通りはアートと都市が融合する魅力的な空間へと生まれ変わり、十和田市は「アートのまち」として国内外から注目を集めています。

十和田市現代美術館 / 青森県十和田市