焼山にオープンした新店舗「鳥曇 -とりぐもり-」
奥入瀬渓流の出入り口、青森県十和田市焼山地区に、2023年9月にオープンした新しいお店「鳥曇 -とりぐもり-」
株式会社とりが運営する店舗で、カフェ&ギャラリー&自社工房、生活雑貨を取り扱うお店となっています。
こちらのお店は、株式会社とり代表の社鳥(しゃちょう)こと杉浦さんとパートナーの会鳥(かいちょう)のお2人で運営されており、店名の「鳥曇 -とりぐもり-」は、俳句の季語で、秋から冬に日本に渡って来て越冬した鳥たちが、春になり北方へ帰る頃の曇り空の事を指す意味で、店名から鳥と自然を愛する気持ちや想いが伝わってきます。
鳥曇 -とりぐもり-
〒034-0303 青森県十和田市法量焼山64−181
ホームページ https://tori.co.jp/
お問い合わせ先 info@torigumori.com
鳥曇オリジナルブレンドコーヒーを味わいながら
鳥曇では、カフェメニューを提供しており、カフェスペースで味わう事ができます。
今回は、おすすめの鳥曇オリジナルブレンドコーヒーをいただきながら取材を行なってみました。
こちらのコーヒーは十和田市中心市街地にある隠れ家カフェ「Cafe Happy Tree」さんに依頼し特注で配合されたオリジナルブレンドコーヒーで「緑の森に合うコーヒー」を感じるテイストとなっています。
社鳥(しゃちょう)こと杉浦さん。本当は「すずめさん」と呼ばれたい。
社鳥(しゃちょう)こと杉浦さんは、愛知県尾張旭市出身で、幼い頃からの鳥好きが高じ、23歳の時に「株式会社とり」を設立。鳥を身近に感じてほしいと活動を続ける最中、都内で会鳥(かいちょう)と出会い、意気投合。会鳥(かいちょう)の出身が青森県八戸市という事もあり、近隣の青森県十和田市へ2021年1月に移住。以後、自社商品のイベント出店やオンライン販売を続け、2023年9月、十和田市法量焼山へ鳥雲をオープンされました。
お店で目を魅くのは、小さなすずめのフィギュアと大きなスズメのバルーン(メガチュン)。
社鳥(しゃちょう)こと杉浦さんが手作りで制作しており、小さなすずめのフィギュアは、全国からのファンも多く、鳥曇(とりぐもり)店内やオンラインショップ、十和田市現代美術館でも購入できます。
筆者が、株式会社とりを知ったのは2021年2月頃の事。日本で流行した音声による会話チャットSNSアプリ「Club house(クラブハウス)」で、「わかめしゃぶしゃぶを食べる会」というグループに東北地方在住の皆さんが集まり聞いた事がきっかけ。ふとした事から小さなスズメのフィギュアの話題になり、青森県十和田市へ移住した「株式会社とり」という方が作っているよとおしえてもらい、早速「株式会社とり」で検索してみたところ、現れたのが大きなすずめのバルーン「メガチュン」。
インパクト大のその容姿と可愛らしさ、作り手の唯一無二の存在感。今回の取材に至るまでの経緯や人のつながりを考えるととても不思議な感じがしている中、社鳥(しゃちょう)こと杉浦さんに「お名前は何と呼ばれたら嬉しいですか?」の質問に「すずめさん」と呼ばれたいと答えてくれました。(以下、すずめさんと記載)
こだわりと優しさを感じる店内「鳥曇-とりぐもり-」
店内では、普段では見ることのできない珍しい商品が並んでいます。
・香りでのリラクゼーションを体感できる「チベットのお香」
・ネイティブ・アメリカンも使う香木。南アメリカ大陸原産の「パロサント」
・愛知県尾張旭市出身のすずめさんが、青森の寒い冬を過ごすのに温かい靴下が欲しいと仕入れている「モンゴル製の羊とヤクの毛で編まれた靴下」
など興味深い商品が並びます。
古い道具が好きというお二人。その想いが形となった店内は、築50年の民家をリフォームし、梁や廃材を活用し新たに生まれ変わった建屋で、温かみのある木材と近代的建築が融合した居心地の良い空間となっています。存在感のある大きな薪ストーブは、廃版のもので現在は入手する事はできない代物で、炊き上がる炎もまた美しさを感じます。リフォーム工事の際に出た廃材を薪として再利用し、燃料として使用しているとの事。
店舗の片隅には、工房があり、スズメのフィギュアを制作するすずめさんをご覧いただけるかもしれません。
すずめさんは、若かりしき頃、福祉施設での勤務経験があることから、店内は車椅子の方がご来店できるよう、建物の入り口までのアプローチはワイドステップ、玄関ドアはスライドドア仕様、段差のないバリアフリーとなっており、洗面トイレと洗面台も車椅子対応となっています。
また、すずめさんは、手話と筆談を勉強中で、どのような方でも接する事ができる優しさをお持ちです。ゆくゆくは、バードウォッチング体験プログラムなども用意し、手話・筆談での対応もできるよう大好きな鳥を通じ八甲田や奥入瀬渓流など自然の素晴らしさを伝えていきたいと希望を語りました。
自然豊かな十和田奥入瀬へお越しの際は、奥入瀬渓流の出入り口、焼山にできたカフェ&ギャラリー鳥曇(とりぐもり) へぜひお越しください。
聞き手 & 写真撮影 : 米内山和正